この記事のポイント
- FTCは2026年10月19日、高齢消費者保護の年次報告書Protecting Older Consumers 2025-2026を公表した。
- 発表は2025年にConsumer Sentinel Networkへ寄せられた詐欺等の申告を分析し、高齢者を60歳以上と定義している。
- 60歳以上が申告した詐欺全体の損失は2020年の約6億米ドルから2025年の約30億米ドルへ増えたとFTCは報告。ロマンス詐欺だけの額ではない。
- FTCによると高齢者は若年層より、ロマンス詐欺、技術サポート詐欺、懸賞詐欺、政府や家族等のなりすましで金銭被害を申告する傾向が高い。
- 80歳以上が申告した1件当たり損失の中央値は2,000米ドル。詐欺全体の損失がある申告の指標で、ロマンス詐欺固有の値ではない。
- 高齢者の金銭被害申告の割合自体は若年層より低く、損失なしの申告をする割合は高いとFTCは説明している。
- FTCは損失申告額の増加について、非常に大きな個別損失の申告が増えたことを主な要因として挙げている。
本文
米国連邦取引委員会(FTC)は10月19日、高齢消費者保護の年次報告書「Protecting Older Consumers 2025-2026」を公表した。発表では、2025年にConsumer Sentinel Networkへ寄せられた申告から、60歳以上の詐欺被害の特徴を整理している。
約30億ドルは詐欺全体の申告額
60歳以上が申告した詐欺損失の合計は、2020年の約6億ドルから2025年には約30億ドルへ増加した。FTCは、大きな個別損失の申告が増えたことを主な要因として挙げている。
この合計はロマンス詐欺だけの損失ではない。報告が集まった範囲の額であり、高齢者の被害すべてを数えたものでもない。
ロマンス詐欺は年齢差のある類型の一つ
FTCによると、高齢者は若年層より、ロマンス詐欺、技術サポート詐欺、懸賞詐欺、政府や家族などへのなりすましで金銭被害を申告する傾向が高い。一方、詐欺全体について金銭被害を申告する割合自体は若年層より低く、損失なしの申告をする割合は高かった。
「被害の申告に占める割合」と「損失の大きさ」は別の指標になる。80歳以上の損失申告の中央値は2,000ドルとされるが、これもロマンス詐欺固有の数字ではない。
日本や個別アプリの危険度には置き換えない
今回の資料が示すのは米国の申告データだ。出会いの場全体における被害率や、日本の特定アプリの危険度を測った調査ではない。恋愛を装う詐欺も高齢消費者保護の対象に含まれるという点と、データが集められた地域・仕組みをあわせて読む必要がある。

